キャリアブレイクの実体験

キャリア

筆者は『キャリアブレイク』経験者です。

期間としては、2024年の9月から2025年の3月末までの7ヶ月ほどの期間、『キャリアブレイク』という状態でした。

過去に3社での就業経験がありますが、1社目5年、2社目4年と短くない期間勤めることができましたが『キャリアブレイク』を経験した3社目では、半年足らずで休職、その後3ヶ月経て離職という流れを経験しております。

2025年4月より無事再就職し、社会復帰を果たすこととなりましたが、『キャリアブレイク』期間に経験したことを振り返り、やっていたことなどを書いていきたいと思います。

そもそも『キャリアブレイク』とは?

過去に別記事でも少々触れているのですが、一般社団法人キャリアブレイク研究所の定義を引用すると、『キャリアブレイク』とは、以下のように定義されています。

一時的に雇用などから離れる離職、休職、休学など、キャリアの中にあるブレイク期間のことを指します。
【引用元】キャリアブレイク研究所(https://careerbreak-lab.studio.site

筆者の場合は、働いていた会社の環境アンマッチと当時の上司のハラスメントがきっかけで適応障害となり、休職。その後、離職という流れでしたが、他の環境で働く意欲自体はあったため、『キャリアブレイク』の状態でした。

発生していた症状

『キャリアブレイク』の決め手となったのが、心療内科から受領した適応障害の診断書だったのですが、診断書を出される前後でも違和感や症状を感じていたものがありました。

話や本の内容が頭に入らない

筆者は趣味として、読書や誰かと飲みにいくことが好きで、移動中や時間があれば本を読んだり、友人を誘って飲みに行くことを行なっていました。

そして、過去の仕事でも、仕事上で関わる社内外の人の自分とは異なる考え方や価値観などのその人となりを聞くことが好きでした。

しかし、『キャリアブレイク』前後で違和感の自覚症状がありました。

読書に関しての症状としては、読んだ本の内容がまったく頭に入らないという事象が発生していました。

筆者は本を「一通り全て読み切る派」で、この読み方だとそれほど多くの知識や気づきを得られないこともありがちなのですが、それにしても全く記憶に定着しないという症状を感じていました。

読書は頭を使う活動でもありますので、ある程度の読書に対する体力も必要で、消費する体力に対して面白みも知識も得られず、読書することをつまらないと感じていました。

そして、人の話についても同様に頭に入らないという事象が発生しており、特に適応障害の原因となっていた上司の話が全く頭に入らない状態でした。

当時の上司ですが、そもそも話が長く、結論も言わないような指導だったため、上司にも原因はあると思いますが、仕事の方針が全く合わないのであればある程度相手に合わせることが必要な状態でしたが、

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あれ・・・?結局何をしなきゃなんだっけ・・・・?

というような状態が頻発しており、

上司
上司

前に言ったあれもこれもやってないじゃないか!

というようなやりとり、指導がよく起こっていました。

上司に反抗する、会話する意欲がまったくなくなる

筆者のキャリアブレイクのきっかけというか、大きな要因となっていたのが「上司のハラスメント」だったのですが、週に2〜3回ほど、定時後に1〜2時間自席で詰められるような事象が発生していました。

定時後の時間かつ自席なので、周りにいるメンバーや他部署の人にも目にも耳にも入るような指導だったのですが、非常に空気が悪かったことを記憶しています。

上司は自身の考え方ややり方が全てではないし、正しいとも思っていなかったというような話を何度か話しており、筆者自身も上司の意見も受け入れつつ、自分の意思や考えを発言していたのですが、

結果、全否定

こんな状態が継続的に続き、筆者自身も

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自分の意見や考えを発信してもそもそもちゃんと聞いてもらえないなら波風立てないのが利口。嵐が過ぎるのを待つだけ・・・。

というような自分を押し殺すような日々が続いており、会話をする意欲が皆無になっていました。

社内の人とコミュニケーションをとりたくなくなる

前述の上司との関係が劣悪だったため、同じ部署の他メンバーや、前職場など周りにも心配させたり、迷惑をかけているような状況でした。

そんな状態が続いていたことから、前述の指導を受けていた際に、

別部署の人
別部署の人

それ以上続くなら会議室でやってくんない?
気が散る。

というようなお声をいただいたこともありました。(その日のみ、その後会議室で行われましたが、以降は平常通り自席でした。)

また、総務・人事の方ともやり取りの中で、癖があり、大変だという旨を会話の中で相談したこともありましたが、

人事
人事

「癖のある人だからー・・・。」

という反応で、言うだけ無駄だと思いました。

他にも先輩やアシスタントさんにも相談したことがあったのですが、上司のご機嫌や状況に合わせてアシストするようなことを勧められました。

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自分の仕事なんだから自分でやれよ!

と思ったのが前提でしたが、アドバイスの内容も一定わかるというのが素直な印象でした。

というのも、筆者もアシストが割と得意な気質だと思っており、自分自身がその当時できそうなことといえば、上司が営業に注力できるようにアシストすることが組織としてはベターな状態だと考えて、アシストに努めていました。

しかし、これが裏目に出ることが多発していました。

具体的には、新規の問い合わせに対して、上司不在の際に、「本日担当(上司)が不在のため、明日改めてご連絡差し上げます。」と返信したり、客先との契約書締結に関わるメールに返信したり、契約書を社内を回すような動きをとっていたのですが、

上司
上司

やりとりわからなくなるから余計なことするな。

と言われてしまいました。

筆者が得意としているアシストや、「自分で考えて行動する力」が完全に裏目に出るような状態でした。

そして、先輩営業にも相談をして、そもそも「営業の軸」として、どんな営業を目指すのか?ということを決めると良いとアドバイスをいただき、その週末に自分なりの棚卸しとして、ジャーナリングやマインドマップを使って考えてみました。

筆者が「営業の軸」として考えていたのが、

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社内外どちらもパフォーマンスを発揮できるように営業の立場で間に入ることで、調整役としてお互いがやり易い環境作りをしたい。

という意見を発信しましたが、

先輩
先輩

それは営業じゃなくね?

というご意見をいただきました。

確かに先輩の意見も分からない訳ではなく、営業として最重要であり、最大の目標は「売上」です。
この点については相違ないのですが、その先に目指す姿としてはあくまで個人の考え方ですし、それは誰もが否定できるものではないと思っていました。

考え方も行動も全てでうまくいかず、相談をするものの、結局自分自身に価値が無いようにも感じていました。

もう諦めて怒られても、嫌味を言われても、指導が頻繁にあっても心を殺して働くということも考えましたが、そんな気持ちで働きたくなかったです。

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ちなみに先輩の「営業の軸」は「お金」でした。「頑張って結果出すからその分給料くれ」ということらしいのですが、お金ならもっといい会社がありますし、筆者からすると「?」でした。

趣味に熱意ややる気がまったく起きない

読書と同じような状況だったのですが、筆者は趣味で音楽制作を行なっているのですが、これが全く手につかなかったです。

当時は自分たちの音楽のアルバムをリリースしたいと考えており、準備をする必要がありました。

趣味ではありますが、目標として「have to」でもあったし、「want to」でもあった目標のはずなのに、楽器を出したり、録音などの準備も何もしたくない。やる気も出ない。

そんな状態でいいアウトプットが出るとも思えずに全く興味も関心も出ない状態でした。

キャリアブレイク前後にやっていたこと

前項までで、実際に発生していた症状について書きました。

次項から、キャリアブレイク前後で回復に至るまでに実際にやっていたことを書いていきます。

キャリアブレイク前にやったこと

まずは、キャリアブレイク「前」に実施したことを書いていきます。

読書

前述のとおり、全く頭に入らない状況は続いていたのですが、筆者の目の前の問題として、解決策のヒントを見つけるために色々な本を読んでいきました。

レジリエンスを鍛える書籍、営業に関する書籍、自分のパフォーマンスを上げる本、人間関係構築の本など色々な本を読み、実際に取り入れてみたりしましたが、実感できる変化を得ることができませんでした。

転職活動

筆者の場合は環境とのアンマッチが大きな原因だと考えてみました。

そのため、環境を変えることで、当時の負のループを抜け出すことができる思い、転職先を見つけるためにエージェントとの面談や選考にエントリーしたりしていました。

実は、キャリアブレイクに入る直前に1社内定出ていた企業がありました。

その企業は、筆者の自宅から40分程度の通勤時間で通える企業で、建設×ITと筆者の過去の経歴とも遠からずという企業で、面接した印象も悪くなかったと思っています。

しかし、

本当にここでいいのか・・・?

という迷いが生じ、結果としては内定を辞退する決断を下しました。

周囲や外部に相談

自分と関わりが強い社内のメンバーに相談したものの、全く解決の糸口が掴めなかったことから、役員、学生時代から付き合いのある先輩、親しい友人、過去の上司や後輩など、自分のつながりのある人に相談をしました。

その他にも、外部のキャリア相談専門機関を使ったり、親会社が人材系だったこともあり、キャリア相談窓口を設けていたためにこちらに相談をしました。

結果としては、「筆者が悪いばかりではない」という趣旨のフィードバックをもらったものの、その話を聞いて少しは踏ん張れましたが、現実は何も変わらないという状態でした。

キャリアブレイク中

次に、キャリアブレイク「中」に実施したことを書いていきます

通院

筆者は上司のハラスメントと、環境のアンマッチから自覚症状がある状態だったため、キャリアブレイクに入る前に病院に行っていたことがあり、「適応障害」の診断を受けていました。

ただ、医師からの意見として、1社目も2社目も4〜5年勤めた実績もあり、コミュニケーション能力に課題があるとは思えない、学生時代からも特に人間関係が悪かったこともないと言う事実から、馴染めていたことから、

医師
医師

ご本人に課題があるということではなく、環境が合わないだけだと思います。

という意見をいただいていました。

ただ、自覚症状も環境も改善することがなかったために診断書を書いてもらい、休職することとなったのですが、こういったメンタル面の病気でも、病気が原因で働けなくなった場合には、「傷病手当金」という手当を受給することができます。

条件や金額などの詳細は割愛しますが、筆者が「傷病手当金」を受給するのにも定期的な通院(1回/2週間)が必要だったため、2週間に1回のペースで通院していました。

筆者の場合は、早期に医師と相談したために薬の処方はなく、医師とのカウンセリングのみでしたが、2週間の自分の振り返りにもなる時間だったため、直接的ではなくとも効果はあったように感じています。

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何かしらの自覚症状がある方は、心療内科や精神科などの専門機関に相談することをお勧めします。
「そんな大袈裟な・・・。」という話ではなく、自身の感覚が麻痺しているので自分自身が気づかずに重症化してしまうことなどはよくある話のようです。

『無職酒場』への参加

一般社団法人キャリアブレイク研究所が運営している『むしょく大学』というコンテンツはご存知でしょうか。

ざっくりご説明しますと、キャリアブレイクに興味がある方やキャリアブレイクに関わる方々のコミュニティのことです。

筆者はキャリアブレイクに入り、すぐにコミュニティに参加したのですが、参加した時期に都内での『無職酒場』というイベントが予定されていたため、参加してみました。

実際に参加してみて、自分以外にもキャリアブレイクの経験者や、まさにキャリアブレイク中の人に会うことができたことで、

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自分以外にも仕事から離れるという決断をしている人が実際にいるんだ!

という安心感につながる経験となりました。

筆者の場合は、身近に離職・求職経験者があまりおらず、情報として同じような状況の方がいることは認識していたものの、実際に会いに行って話を聞くことで、希望を持ったり、頑張ろうと思えるきっかけになったように感じています。

やりたかったこと

自分自身がやりたいと思っていたけど、行動ができていなかったことをやっていきました。

具体的には、以下のようなことをやっていきました。

◯近隣の観光地を散歩
◯高尾山に登る
◯ジムにいく
◯実家に帰る
◯奥さんと旅行にいく
◯好きな人とだけ飲みに行く
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時間がない。お金がない。貴重な休みを費やすまでもない。
そんなふうに考えていたやりたかったことができたことで、自分の人生の主導権を徐々に取り戻していった印象です。

コーチングを受けた

結論としては、コーチングを受けたことが一番良かったと考えています。

やりたいことや、通院などを続けていくと、一定期間が経過したタイミングで、現実と向き合おうかなと考える時期がやってきます。

ただ、筆者の場合は前職で環境とのアンマッチが生じていたため、環境マッチは必須条件だったのですが、今後のキャリアを考えていく上で、自分一人で行なう内省や自己理解だけでは弱いと考えていました。

自身の体験として失敗したり、しんどい思いを経験したからこそ、時間やお金をかけてでも納得できる選択をしたいと考えており、そんな状況でXで見つけたコーチにキャリアコーチを依頼することにしました。

実際のセッションの前に何度かリモートで話をさせてもらい、サービス説明やサポートの内容、いつまで伴走してくれるかなどを細かく確認させてもらうことで、懸念を減らし、決断することができました。

結果としては、トータルで3ヶ月ほど伴走してもらい、転職先を見つけることができました。

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キャリアコーチを受けることに決めた背景などはこちらの記事に書いています!

キャリアブレイクを経て

キャリアブレイクに入る前や入った直後は自分自身に対して、誰に対しても価値を与えることができない無価値な人間だと思っていました。

ただ、前項までで述べたとおり、自分自身でその日の自分のやることを決めていくことで、少しずつ自己肯定感が回復していき、徐々に人生の主導権を取り戻していったという感覚があります。

そして、一度仕事から離れることで、自分の人生においてウエイトの大きいキャリアや、今後のプライベートについて考える期間となったように思っています。

キャリアブレイクを振り返ってみて

振り返ってみると、筆者としては、休職・離職とキャリアブレイクを選択したことは正しかったと考えています。

当時の自分自身に対しても伝えたいのですが、どんな会社や環境でも高いパフォーマンスを発揮できる人などいなく、価値のない人間などいない。価値が発揮できないのは、環境が自分に合っていないだけです。

筆者自身はキャリアブレイクを経験する前は、自惚れではないですが、大体どこでもそこそこやれるとどこかで思っていました。

ストレングスファインダーでも適応性という資質が上位にありますし、色々な環境、価値観、考えの人とうまく付き合ってきた経験もありますが、実際にはアンマッチが生じていました。

そして、筆者の身近でも、仕事に対してコミットメントがすごく、平日は早朝から深夜まで、土日まで働いているまさに「どこでも活躍できそう」な先輩が同時期に転職したのですが、その先輩も1ヶ月未満で出戻りを決断していました。

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話を聞いた印象としては、劇的に価値観が合わなかったみたいでした。

この経験から、改めて自己理解とコーチングの重要性を感じる経験となったように思います。

上司のハラスメントや、環境のアンマッチなど、ネガティブな言葉を使ってきましたが、筆者の気持ちとしては、前職場を悪くいうつもりはありません。

単純に筆者が自己理解や企業リサーチが不足をしていたこと、採用した会社が会社と筆者のマッチングを見誤っただけで、「環境が合わなかった」という事実だけだと考えています。

ただ、だからこそ自己理解が重要だと考えており、自分の考えと深く向き合うことや、客観的な視点で深掘りや伴走していただくコーチの存在などがあったため、このキャリアブレイクの期間は筆者の人生の中でも必要な期間であったように考えています。

最後に

今回はキャリアブレイクについての筆者の経験や考えなどについて書いてみました。

筆者自身もそうですし、無職酒場でお話しを聞いた人など、キャリアブレイクを選択する人は、

「仕事に真面目な方」「自己犠牲や周りを優先してしまう人(=優しい方)」が非常に多いように思っており、本来は評価されるべきそんな人たちが犠牲になることは嫌だと思っています。

だからこそ自分に合った、自分だけの生き方を見つけてほしいと思っており、仕事だけじゃなく、人生全体の満足度を上げていくような生き方をしてほしいと思います。

昨今、日本は幸福度が低い国だと耳にすることが増えましたが、お金や地位、権力だけじゃない自分だけの幸福を追求してような国になったら良いと思いますし、そこに筆者自身も少なからす貢献できるように生きていきたいと本気で思っています。

もし本ブログを読んで少しでも誰かの背中を押してあげられれば良いと思いますし、もし話しを聞いてみたいとか、相談してみたいと思われた方はSNSか問い合わせフォームからいつでもご連絡ください!

今回も最後に本を紹介して終わります。


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「キャリアブレイクって何?」「キャリアブレイクって実際どうなの?」など、キャリアブレイクに少しでも興味関心がある方の1冊としては絶対にこちらがお勧めです!

それでは(「・ω・)「

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