キャリアブレイクのセミナーに参加した感想

キャリア

11月6日横浜にて、『キャリアブレイク』のセミナーが開催されていました。
筆者自身も『キャリアブレイク』中の身として、せっかくの機会なので参加してきました。

今回は、「キャリアブレイク」関連のこと、セミナーと購入した書籍『キャリアブレイク — 手放すことは空白(ブランク)ではない』についての学びや感想を書いていきたいと思います。

そもそも『キャリアブレイク』とは

そもそもキャリアブレイクって何?

そもそも『キャリアブレイク』という言葉自体が聞き慣れない言葉だと思います。
一般社団法人キャリアブレイク研究所によると、『キャリアブレイク』とは、以下のように定義されています。

一時的に雇用などから離れる離職、休職、休学など、キャリアの中にあるブレイク期間のことを指します。
【引用元】
キャリアブレイク研究所(https://careerbreak-lab.studio.site

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「ブレイク=ちょっとした休憩、息抜き」というイメージですね!

「一時的に」
「働く意欲が無い訳ではない」

という2点がポイントだと思います。

「日本の仕事に対する考え方」について

実は、この『キャリアブレイク』という言葉は、欧米やアメリカでは一般的な文化と認知されているようです。

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筆者もたまたまネットサーフィンをしていた時、目に入った記事で知った言葉でした。

なぜ日本では聞きなれない言葉なのでしょうか。

理由としては、日本の『仕事』に対する考え方に起因していると考えられています。

日本の働き方は、「総合職採用」「新卒で定年まで勤め上げる」「異動や残業は当たり前」という考え方が広く認知されています。

そのため、残業をしなかったり、異動を受け入れなければ「出世が遅くなる」、「出世できなくなる」ということを聞いたことがありますし、新卒から勤めている人が昇進していく傾向はまだ根強く残っているように感じます。

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最近は『ジョブ型雇用』という言葉を聞く頻度も増えましたが、まだまだ昔からの「仕事の考え方」が残っているように感じます。

「会社に尽くすという姿勢」と「長期間勤めること」を前提で考えられていることから、そもそも「働いている状態」が当たり前で、「休職や離職する=当たり前ではない」という考え方によるマイナスイメージが強く、一時的に雇用から離れる『キャリアブレイク』という文化を受け入れづらい環境であると感じました。

ライフを侵食するワークという課題

前項で書いたとおり、日本で働くというと、「総合職で色々な経験をする」「定年まで勤め上げる」「異動や残業が前提」という考え方が根づいているように感じます。

『ワークライフバランス』という言葉もありますが、これは「仕事」と「プライベート」のバランスをとって働きやすくしようという考え方ですが、
ライフの中の1つの要素としてワークがあるものなので、そもそも「ライフを侵食する仕事=ワーク」というのが問題であると考えています。

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生活の1つの要素として働くことを選択しているのに、ライフとワークが両立するように・・・というのは少々おかしな話しだと思います。

ワークは、『キャリア』という言葉と結びつくイメージが強いと思いますが、この『キャリア』という言葉の一般的な認識にも相違があると感じており、この点をお話しするために2種類の『キャリア』という言葉についてご説明します。

『ライフキャリア』と『ワークキャリア』

一般的に『キャリア』という言葉を聞いた時に真っ先に思い浮かぶことは「職歴」など、仕事に関することをイメージされる方が多いのではないでしょうか。

筆者自身も『キャリア』と聞くと、「仕事」というイメージが自然に浮かんできます。

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『キャリア』と聞くと、「過去にどんな仕事をしてきたのか」「何年勤めたのか」「どんな会社で働いてきたのか」など『仕事』に関わることが自然と浮かびます。

しかし、この『キャリア』という言葉には『ライフキャリア』と『ワークキャリア』という2種類の『キャリア』があります。

ワークキャリアとは、どのような職業につくか、どのような会社で勤務するか、どのような仕事をしたいのか、昇進をしたいのか、など一連の職業生活に関わることを意味します。
【引用元】
キャリアブレイク — 手放すことは空白(ブランク)ではない

ライフキャリアには人生のライフイベントすべてが含まれます。
【引用元】
キャリアブレイク — 手放すことは空白(ブランク)ではない

『ライフキャリア』には、仕事に関わることはもちろん、家庭生活や地域生活、市民活動なども含まれる言葉になります。

つまり、

広い意味(仕事を含む生活)での『キャリア』=『ライフキャリア』
◯狭い意味(仕事に限定)での『キャリア』=『ワークキャリア』

となります。

極端な話、働かなくても(ワークキャリア)生活(ライフキャリア)は続くということです。

『キャリアブレイク — 手放すことは空白(ブランク)ではない』を参考に作成

これに対して、「ワークライフバランス」とは以下のようなイメージになります。

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『ワークライフバランス』という言葉も、「仕事だけでなくプライベートも両立させよう」という考え方は良いと思いますが、そもそも対比関係では無いものと思いました。

『ライフキャリア』の1つの要素として、『ワークキャリア』があるため、
対比関係自体が成立しないと思いますし、『ライフキャリア』を侵食する働き方(『ワークキャリア』)は、大きな課題であると改めて感じました。

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「ワークキャリアをブレイクすること」であって、「ライフキャリアはそもそもブレイクという言葉すらない」というのが『キャリアブレイク』の考えです。

偏見が弱者を作り出す

前項で述べたように、日本では、「働いている状態が当たり前」という考え方が根づいているため、

◯働いている状態=当たり前、多数派
◯働いていない状態=当たり前でない、少数派

上記のような考え方が広く認知されています。

この「働いている状態=当たり前」という考えにより、「当たり前の状態でない休職・離職・無職=ダメなやつ、弱者」という偏見につながっていると思います。

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筆者も自分自身を休職=ダメなやつと思っていました・・・。

実感として、『キャリアブレイク』経験者が少数派であり、周りを探してみても過去に経験した人や、『キャリアブレイク』中の人に出会う機会はめったに無いため、この点も不安が増える要素だと感じております。

この点については、筆者自身も不安に感じていたのですが、『無職酒場』というイベントに参加したことで「自分以外にも同じような境遇の人がいる」と体感できる良い機会だったと感じております。

無職酒場とは?参加してみて

無職の人は飲食代がタダというユニークなイベントです。

無職の人集まれ、働く人だけ支払う酒場 「後ろめたい」社会に違和感(https://www.asahi.com/articles/ASQC27TSCQB0PIHB02F.html
【引用元】
朝日新聞

10月中旬に東京都内で開催されていた無職酒場に筆者自身が参加してきました。

参加者は全部で20名弱程度でしたが、

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こんなにキャリアブレイク中、キャリアブレイク経験者の人がいるんだ!

と率直に思いました。

それぞれ、さまざまな理由ではありましたが、キャリアブレイク中であったり、経験者であったりと、「自分同じような境遇の人がいる」と体感できたことは安心感につながったように思います。

また、筆者は現状休職中のキャリアブレイクの身であり、職場環境や人間関係が主な原因であったため、環境自体を変える必要があると考えているので、復職は考えていません。

そのため、「休職する=元の会社に戻りたくない」という自分の考えが当たり前だと思っていましたが、筆者が話した方々は、みなさん復職を考えているということで驚きました。

自身の交友関係から一歩外へ出たところには、「こんなにもキャリアブレイク中の人や経験者がいるんだ」と体感することができたので、自分がダメなやつということよりも、同じような人がいるという安心感につながる機会であったと感じています。

手放すことに価値がある

セミナーでは、「仕事を一時的に離れる=手放すこと」に価値があると登壇者のお二人(キャリアブレイク研究所:北野貴大さん、法政大学大学院政策創造研究科 教授:石山恒貴さん)がお話しされていました。

空白を作ることで、やってみたいことに向き合い、感性を高めたり、
仕事について改めて考え直すことで、より納得感を持って働くことができるようになる効果があるようです。

確かに日常生活で、「仕事も家庭も趣味も頑張りたい」となると、どうしても時間的に難しい状況になり、改めて考える余裕がないようにも感じます。

そのための1つの選択肢として、『キャリアブレイク』をして、一度手放すという考え方は納得感がありました。

現代人は「何かをしていないと安心できない、落ち着かない」と思い、スマートフォンやSNSで時間を使うことが多いとも聞いたことがあります。

手放すことで空白を作り、新しいことに気づくことができたり、新しい考え方を受け入れることができるようにもなりますし、継続している状態ではなかなか時間をとって向き合えないものだと感じました。

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手放すことで集中したり、向き合ったりする対象に絞っていくことは、『エッセンシャル思考』とも通ずるものがあると思いました。

自分で転機を作ること

ツイッターでも発信しましたが、この言葉が一番印象的でした。

『キャリアブレイク』をすることは、『ワークキャリア』から見たら立ち止まることで、停滞することだと引け目を感じていました。

しかし、停滞という転機を自ら作り出すことだとお話しされていました。

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筆者自身も「このままの働き方、仕事選びではまずい」と思い、一度じっくり考えたいと思っています!

休職というやむを得ない出来事がきっかけだったとしても、「空白を作ることを自分で選択した」という「自分の人生を自分が選択したという感覚」もあり、
前項の内容と併せて、一度立ち止まって考える時間を自らが作り出すことに価値があり、それは転機を作ることだと前向きに捉えることができるようになりました。

最後に

筆者の場合は、職場の人間関係・職場環境との不一致による休職というきっかけで意図しないキャリアブレイクでした。

現時点では次の仕事が決まっているわけではないのですが、今回の『キャリアブレイク』で自らで「仕事を考え直す」という転機を作ることができたとも考えています。

この選択が正しいのかは分かりませんし、まだまだ『キャリアブレイク』に対する世間の認識は広まっていない現状なので、いざ転職活動をした際にも苦労すると思っています。

ですが、働くことに対して真剣に納得して働きたいという意志が強いことから、自分自身の『ライフワーク』のために、どんな『ワークキャリア』を歩んでいくのか、一度立ち止まってじっくり考えて、納得のいく仕事を見つめ直してみたいと思います。

それでは(「・ω・)「

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